Plesk の拡張機能 Mail Importing を使ってメールデータをインポート
「Plesk の Extensions を活用して、WordPress でつくったサイトを移行してみた」
ここで紹介した「Site Import」というPlesk(プレスク)の無料 Extensions ですが、実は、「Mail Importing」というものも付いてきます!
ブログのためにいろんな環境のPleskを見ていると、
「あれ?あんな機能があったはずなのに・・・」と、どこかの Plesk には装備されていて、
実際に「使ってみたい」と思ったときに見つからない。なんてことがたまにあります。
そんな自分のためにも、ちゃんと記録として残しておきたいと思います。
冒頭の「Mail Importing」が、今回のそれです。
お客様からのご要望で、MT から WordPress への乗換えをご支援させていただいているときに、いくつかの方法を提案させていただきました。
・下位のディレクトリに WordPress の環境をつくり、リリースの際にドキュメントルートを変更する。
・サブドメインを作成し、そこで WordPress 環境を構築。リリースの際は構築用サブドメインを運用ドメイン名に変更して公開。
・または、リリースの際にウェブサイトコピー機能を使って WordPress 環境で上書き。
簡単かつ安心な方法でやりたいリニューアルですが、それぞれできる事が違い、やらなければいけない作業も変わってきます。
最初のドキュメントルート変更では、php のバージョンを現行バージョンから変えることができません。
ドメイン名を変更してリリースさせる場合は、ドメイン名といっしょにメールの@以降も変わってしまいます。
この場合は、将来的に@ドメイン名に昇格させるサブドメイン側にも、いま利用しているメールアカウントを作成しておいてあげないとダメですし、メールの運用上メールボックスが新旧2つできてしまうことも頭に入れておかないといけません。
最終的には、Plesk のウェブサイトコピー機能をフルに活用して、現行サイトをサブドメインにバックアップし、新サイトを現行ドメインにウェブサイトコピー(上書き)してサイトをリニューアルさせました。
※サイトコピーの際、データベースの割り当ても適切に変更する必要がありますのでご注意ください。
安全だしエンドユーザー様の手間もあまりかかりませんが、Plesk 管理者の作業が増え緊張も高まりますね。
今回はこの移行ネタではなく、この時に感じた「あれ?あんな機能があったはずなのに・・・」です。
(もしご興味があれば、ウェブサイトのリニューアルに関わるネタは日を改めて書かせていただきます。)
移行作業におけるお客様のご要望とご期待に応えるため、むしろその期待値を越えるために、前述の提案内容をまとめるまでに様々な検証を行いました。
その際に、視界の片隅に映っていたアイコンが「Mail Importing」です。
WordPress を軸に、ウェブサイト中心で考えてしまうことが多いのですが、やはりメールも重要なツールです。
ウェブもメールも安全に移行できるのであれば、Plesk 最強のポジションは揺ぎ無いものなると個人的には感じてしまいます。
さて、はじめてみます。
左メニュー「ウェブサイトとドメイン」の「Mail Importing」のアイコンをクリックします。
「Import mail messages」をクリック
ここにメールアカウント情報を入力して「OK」ボタンをクリックします。
すでに移行先メールアカウントを作成している場合は、Destination e-mail のプルダウンメニューに表示されますので、そこから選択します。作成していなければ create a new mailbox を選択します。
通信状況にもよるのでしょうが、実測値で10,000通を15分程度でコピーしてきます。
終わるとこの画面になりますが、Re-sync(再同期)があるのがうれしいですね。
ちなみに、Mail Importing の設定のところで「Show advanced options」をクリックすると、ソースホストをIPで指定することもできます。
IP で設定しておけば、DNS の切替えのタイミングを気にせず、しっかり差分まで同期できます。
メールデータは521 MB、25分程度で完了しました。
ちょっと呆気ない感じですが、
簡単にメールサーバも移行可能ということですね。
Plesk すごいですねぇ~
【編集後記】
今回の記事で検証したメール移行ですが、実際に使用しているメールアカウントで試してみました。
「DNS の切替えのタイミングを気にせず、簡単に移行できます」と言い切りましたからね ^^
実はこれ、前回のブログでちょっと触れましたが、大手ホスティング会社の大型メンテナンスの影響を受けて「サーバ移さなきゃいけない」という状況が背景にあります。
どんな環境へも移行が簡単な Plesk に乗換えておけば、今後のそういったことへの対策にもなります。
ブログにも記載しました「Show advanced options」を開き、Source IMAP host に現在利用しているメールサーバの IP を入力。
Re-sync(再同期)をクリックすると、数通のメールが同期されてきました。
午後の15時、パラパラとメールが届く時間ではありますが、思い切って MX レコードを向けているメールサーバの A レコードを変更。
さすがにドキドキしますね。。
当該メールアカウントは、2台のパソコンと iPhone で受信しているのですが、アカウント情報はそのままです。
レコードが切り換わったことを確認して、メールソフトを再起動すると、、、
なにやらたくさんメールを受信し始めました。
移行の際、やりがちなあれです。 同じメールを重複して受信してしまうやつです。
重複メールを避けたいのであれば、別アカウントをつくるとかで、対処は可能です。
再度 Re-sync(再同期)すると、パラパラとメールが入ってきます。
どうやらメールの取りこぼしはまったくないようです。
メーラーの設定を変えず、
Pleskの操作と DNS の切替えだけで、
平日の真昼間に 1 通の取りこぼしもなくメールサーバを切り替えることができました。